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サラは丸まって寝ていた体勢から手足を伸ばそうとしたが、手足を何かに阻まれ目を覚ます。
身体を起こし周りを見渡して、自分が今どこにいるか把握する。
車の後部座席で寝ていたらしい。
何故ここで眠っていたのか記憶をたどる。
一昨日病院に出勤、早朝当番の同僚と交代して勤務につく。
勤務時間が終わる1時間程前、夜勤当番のいつもお世話になっている先輩看護師から電話が入る。
母子家庭の先輩の娘さんが熱をだし、夜勤を交代して貰えないかとの頼みの電話だった。
勤務後の予定も無く、サラが困っているときに気軽に勤務時間を交代してくれる先輩という事もあり、頼みを引き受ける。
昨日の早朝、やっと勤務が終わると思ったサラに、産婦人科担当婦長から早朝当番の者が出勤して来ないので、勤務の継続をお願いされた。
疲れてはいたが、若さと体力だけが自慢のサラはそれを引き受けた結果、お昼の1時過ぎまで勤務を続ける事になってしまう。
早朝当番者が無断欠勤しただけでなく、次の当番者が遅刻したせいであった。
疲れと眠気でボーっとしているサラは、婦長にお礼のサンドイッチが入った袋を渡され、フラフラと自分の車にたどり着き、貰ったサンドイッチを食べた後の記憶が無い。
サンドイッチを食べた後、車の後部座席で眠ってしまったのだろう。
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