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腕時計で時間を確認すると朝の6時、15時間近く眠っていたようである。
腹の要求を満たすため車から降り、病院内にある24時間営業の食堂に向かう。
車から降り病院の従業員出入り口に向かうサラの目に、外部から病院の敷地内に入るたった1ツの門の前に、顔見知りの警備員が数人屯しているのが映る。
彼女は彼等に挨拶の言葉をかけた。
「おはようございます! 」
「おはよう! 」
彼女に気が付いた警備員の1人が、挨拶を返しながら手を振る。
普段は交代で1人しかいない門の前に数人の警備員がいて、尚且つ門が閉め切られている事に戸惑いを覚えながら、彼女病院内に入った。
サラが朝食を食べている事に気が付いた、朝食を食べに来た産婦人科担当婦長が、疲れ果てた表情で彼女に声をかける。
「おはよう。
あなた、どうやって病院の敷地内に入れたの?」
婦長に声をかけられて、口の中の物を慌てて飲み込むと、返事を返す。
「おはようございます。
入る事が出来たって、どういう事ですか?」
彼女の返事に婦長は何かに気が付き尋ねる。
「あなた、また車のなかで寝ていたのね?
でもお陰で助かるわ」
婦長の言葉にサラは恥ずかしそうに頷きを返してから、婦長の腕に巻かれている包帯について尋ねた。
「その腕どうなさったのですか!?」
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