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肉を食い千切られる激痛を歯を食いしばって耐え、バリケードを築くため放り出していたモップの柄を右手で探り当てて握り締め、折れて鋭く尖っている先端を更なる肉を求め大きく開けられたマリリンの口の中に、突き刺す。
突き刺してもマリリンは動きを止めず、肉を求め掴みかかって来る。
サラは全体重をかけてマリリンを押さえつけ、その頭に何度も何度もモップの先端を突き刺す。
マリリンの顔の形が分からなく成る程何度も突き刺している内に、マリリンは動きを止めた。
マリリンが動きを止めた事に気が付いたサラも、左手からの出血が多すぎたせいで、マリリンにのしかかるように座り込む。
座り込んだサラは立ち上がる気力も力も無くなり、床に放り出され力なく泣いている新生児を見て、謝罪の言葉を口にする。
「ごめんね、もう立ち上がれないや、ごめんね………………」
謝罪の言葉を口にしているサラの耳に、病院の方へ近寄ってくる多数のヘリコプターの轟音が微かに聞こえて来ていた。
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