突入

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リーダーはドアの前に築かれたバリケードの残骸や、頭にモップの柄を突き刺され倒れている物を指差し答える。 「誰がバリケードを築いたと思う? バリケードを築く事が出来たのは彼女だけだ。 バリケードを築きゾンビになった奴と戦い、力尽きたのだろう。 自分もゾンビになるなんて思いもせず。 誰が悪いと問われれば、病院に突入するのが遅れた俺達が悪い。 あと数時間早く突入していれば、子供達全員を助け出す事が出来たかも知れない」 「しかし! 」 「子供を授かったばかりのお前の気持ちも分かる。 だが、考えてみろ。 彼女がバリケードを作ったおかげで、この部屋のゾンビが一体だけで済み、犠牲も少なく済んだのだ。 彼女がバリケードを築かなければ、外にいたゾンビがこの部屋になだれ込んでいて、この部屋の子供達は全員ゾンビの餌食になっていただろう」 「クッ、………………」
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