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今まで、笑っていた彼が、急に真剣な表情で聞いたので少し驚いてしまった。
「い、いや、今回は誰にも作ってないよ」
「ふーん……。じゃあ、俺もう行くわ」
ここで渡せばいいのだろうけど、やっぱり私には、そんな勇気はなく、ただ彼が去るのを見てる事くらいしか出来なかった。
「う、うん……」
彼が去った後、私は彼に上げるはずのチョコを一口食べた。
「……あれ?チョコってこんなに……苦かったっけ?」
そう言った私の頬には、生暖かい涙が出ていたなんて私は知らなかった。
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