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待ち合わせの公園へ急ぐ。
急遽部活のミューティングを始めるなんて、モテない先輩のやっかみに違いない。
キョロキョロしていると、後ろからぐい、と鞄を引っ張られた。
「啓介、待たせてごめん。...て、えぇ!!」
「遅いよ」
ぷうっとほっぺたを膨らませているのはどう見ても啓介の顔をした女の子だ。
「え?!啓介?!いつの間に女の子に?!」
「バレンタインだからかわいい女の子からチョコもらった方が嬉しいと思ったんだよ!!似合わないならもういい!チョコあげない!」
すねて階段に座り込む啓介。
「啓介、かわいいよ。チョコ、頂戴?」
啓介が座ったまま振り返ったから、俺はブイサインを作る。
「しょうがないからあげる!」
啓介の隣に座る。
「ありがとう」
お礼にキスをする。
バレンタインだからって女装しちゃう、そんなかわいい彼氏がいて俺は幸せだ。
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