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「分かりました。シダーさんの監視は任せてください」
2人が話をするうち、誰がどのルートを行くのか話し合いがついたようだった。
話し合い、というよりも、最終的にはくじ引きで片がついたらしい。
色の付いたロープの切れ端を振りながら、ジェイが口を開く。
「えっと……玄関から見て、ホールの左奥、ここの通路の向かい側が俺。ホール右手の手前がシーちゃん。そんで、左手の手前がリーガルな」
「開けてすぐに行き止まりだったらどうしますか?」
「そん時は、どうぞ御勝手にって感じだな。話によると謁見室は2階にあるみたいだから、上がる階段を見つけたら、上がらないで報告すること。あくまでも複数で確認、それでいいな?」
リーガルとリュードは頷き、シダーは相変わらず険しい顔のまま、ジェイの話に耳を傾けている。
「その前に、これを」
どこかに姿を消していた少女が現れて、リーガルとシダーに服を手渡した。
シダーに負けず劣らず、リーガルが着ている服も相当穴が開いている。
「有り難うございます」
照れ臭そうに言うと、リーガルは新しく渡された服を広げた。
リーガルは、鎧の中に着ても邪魔にならないような、シンプルな作りの黒いシャツと、紫紺の刺繍が施された、これも同じく漆黒の外套。シダーは、同じく黒いシャツに、こちらは金の刺繍が施された、踝丈まであるモスグリーンの法衣だ。
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