第13章 【時の回廊】

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日付が変わるまで。 つまり、1日だけ。 誕生日のパーティーなのだから、日付を跨ぐはずはない。 「あれ……?」 脳裏をよぎった違和感に、リュードは首を傾げた。 何か、忘れているような。 大切な……何か。 自分は何かをしようとしていたはずだ。そんな気がするのに、それが一体何なのか、全く思い出すことができない。 「どうしましたか?」 気遣わしげに紳士が言い、リュードは愛想笑いをしてみせる。 「誰かと待ち合わせしてた気がして……でも、どうしても思い出せないんですよねぇ」 「待ち合わせですか。なぁに、もし大事な待ち合わせなら、いずれ向こうから声を掛けてくる事でしょう。心配は不要ですよ」 「そう……ですよね」 気掛かりを心の奥にしまい、リュードはパーティーに専念することにした。 本当に大切な用事なら、時が来れば思い出すに違いない。 それまではここで楽しくやっていよう。 「さあどうぞ。これでも飲んで落ち着いてください」 紳士にグラスを渡され、リュードは一息で飲み干した。 不思議な味のジュースだった。 初めて飲むはずなのに、飲んだことのある味がする。 きっと疲れているんだろう。 明日から仕事なのに、こんな所まで来て………… …………あれ、どうしてここにいるんだろう。
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