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「問題は、アンタがやるべきだった通路か、シーちゃんが行ってる所ってワケだな」
宝物庫の端まで行き、不審な場所がないかきょろきょろと窺っていたジェイが、やがてリーガルの元まで戻ってくる。
「通路の探索をするって分かってたら、真っ先にあそこをやるべきだったな。フクロウ面のヤツ、いきなりドアの警備なんか始めやがって」
リーガルが担当していた通路の扉の前には、いつの間にか先程のフクロウ面の小男が立っていたため、やむを得ず、リーガルはジェイと共に、先にこちらの通路の探索を始めたのだった。
「警備をすると言うことは、あの通路の奥に何かが隠されている証拠ですよ。最悪、ジェイがあの面を引き付けている間に私がドアを通り、謁見を済ませればいいでしょうし」
「役が逆だぜ」
謁見は危険が伴うと再三シダーが警告しているにも関わらず、どちらも引き下がる様子はない。
一通り宝物庫を探し終えると、リーガルは膝についた埃を払って立ち上がった。
「それでは、次に行きましょうか」
「ついでに何か持ってくか?」
足元に無造作に転がる宝飾品を爪先で蹴り、ジェイが言った。
「ひとつふたつ持ってったって、どーせバレないぜ」
「ジェイ。いくらここがおかしな場所だと言っても、人が住んでいるのですよ」
「はいはい、ジョーダンだっての」
ややきつめの口調で言うリーガルに、ジェイは苦笑する。
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