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隠し扉を作ろうにも、レンガ造りではそれもままならない。
いい加減諦めて先に行こうぜと、ジェイがリーガルの背を叩いた。
正確には、叩こうとした。
「おっ!?」
リーガルの背がすっと前に行き、ジェイは掠めた手を反射的に引く。
リーガルの身体は前へ。
あろうことか、壁に埋もれるようにして宝物庫から姿を消してしまった。
「結界か……?!」
ジェイは先程までリーガルが立っていた場所に立つと、壁に向かって手を伸ばした。
「ッ!」
ぐいと手首を引かれ、ジェイの身体も壁の中へと吸い込まれる。
……気が付くと、ジェイは小さな部屋の中に立っていた。
「やはり秘密の部屋でしたね」
得意気にリーガルが言い、ジェイもリーガルにつられて、室内へと目を向けた。
「それにしても……ここは……」
2人が全く想像もしていなかった造りの部屋だった。
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