第13章 【時の回廊】

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「どうしましたか?」 「ん。なんでもないよ」 再び元のように微笑むと、ジェイは言い掛けた言葉を止める。 「フェリちゃんは、ここにはいないの」 俯いていた少女が、ようやくぽつぽつと喋り始めた。 「フェリちゃんは、リサがキライなの」 「いないとは、どういうことですか?!」 ぷうと頬を膨らませるリサの前に立ち、リーガルは問い掛けた。 「っ!?」 突然の問い掛けに驚いたリサが、弾かれたように傍らの枕を掴んで、毛布の中に埋もれるように隠れる。 「脅かすなよ」 「いえっ、そんなつもりは……!」 非難するようにジェイが見上げ、リーガルも慌ててジェイと並んで屈んだ。 「すみません。怯えさせてしまいましたね」 屈むと同時に、背負っていたオーリーンが揺れ、乾いた音をたてた。 毛布の隙間からリーガルの顔を見つめていたリサは、あっと声をあげて、羽毛布団を撥ね飛ばす。 「リサの剣!」
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