第1章

2/2
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/2ページ
B「あー、もう、真っ暗じゃん。 彼女いないからいーけど」 バレンタインなのに、キャプテンやってるせいで、日が暮れてからの帰宅になってしまった。 階段を駆け下りていくと、途中に人影が見えた。 近づくと、何かを大事そうに持っている、女の子だ。 B「なあ、こんなとこで何してんの? ってか何持ってんの?」 A『え、コレ? コレはね、人の“幸せ”が詰まってるの。 ほら、街にぼやけた暖かい光がふわふわ漂ってるのが見えるでしょ? アレが凝縮されたものなの』 B「は?」 A『キミはバクって知ってる?』 B「あの夢を食う奴か?」 A『そう。 コレは夢じゃなくて“幸せ”だけど、私も似たようなモノなの』 なんと、彼女は人間ではないらしい。 A『今日はね、頑張ってるキミに、おすそ分け』 そう笑って箱を俺の手に押し付ける。 B「おい」 顔を上げた時には彼女の姿はなかった。
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!