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「最悪だ…この世の終わりだ…」
呟いた言の葉がはらりはらりと、落ちて行く。
誰も受け止めてくれないし、勿論掃いて捨ててもくれない。
お気に入りの玩具が壊れた時。最後に残していた苺を地面にこぼした時。行きつけの店が閉店した時。そんな、そんな、どうしようもない寂しさが胸にこみ上げては、言の葉を追いかけるように零れ落ちる。
足元で溢れ始めたそれをバシャリと跳ね飛ばして1人、反響が耳に届いた。
おい お い 何が最 悪 だ
不自然な響きは直接耳には入らない。1度以上どこかにぶつかっているのか、単語の間にすら間隔が空き、非常に気持ちが悪い。
「だって、最悪だろう」
「これ以上ない程に」
「僕が作り上げたのに」
「僕が“創り”上げたのに」
声を発する事が辛い。今や世界は…“この世”は、僕の息一つで崩れ落ちてしまうまで瓦解していた。
最初 かr a 無 理だと 知 っ て たくせ に
カラカラと声が笑う。
ガラガラと世界が崩れる。
「最悪だよ」
なんだ 泣 いて い るn o か よ
「泣いてないよ。僕に涙腺はないんだから」
そりゃあ そうだ!
笑いを含んだ声が、一段と耳を刺激する。先程より直接的に、僕の世界に影響を与えない程度に木霊する。
ああ、でも、泣けたら良かった。泣きたい気分だから。僕の創った感情豊かなあの生き物のように、声を上げて喉を震わせたかった。
一瞬、白く瞬いた世界は、それを最後に完全に崩れ落ち、やがてサラサラと中空に溶け出した。
何度見ても、この最期は呆気なく、虚しすぎると、また胸に寂寥感以上のものが溢れる。
バシャン。
溢れた無色のそれに、勢いよく何かが飛び込んできた。
よお。 創造神 何度やっても懲りねえな。
世界なんて、俺が壊すまでもなく、
崩壊を辿る。 何度創ろうとな。
…最悪だよ。君のせいじゃないのは分かってる。
君(破壊神)のせいに出来たらどれほど良かったのにと思える程、最悪だ。
「さよなら。もう聞こえてないだろうけど」
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