……!!

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 最高のシチュエーションだ。  少女は意中の彼を呼び出したのだ。ホワイトデーに彼の最高のお気に入りを手にしたかったから、白い…。  だがそこに、普段からちょっかいを出してくるヘタレ男がやってきたのだ。 「イヤよ! これは、アンタのために持ってきたんじゃないもん!」  少女は拒絶した。しかし男は言い寄る。 「…仕方ない…。じゃ、これでどうだ!!」  男は、右手に持ったハサミを振り下ろした。 『ザクッ! ジャキジャキ! ピュー ボタボタ…』 「……!!」 「この、チョコレート色の肝臓とだったら、いいだろ?」 「…もう…。仕方、ないわね…」  少女は、彼女のハートを、男に手渡した。 「おおっ! やったぁー! ありがとう!!」  男は手放しで大喜びだ。 「ホワイトデーは、アンタのその白目が欲しいな…」  ゾンビのカップルは、幸せそうだった…  ―― おわり ――
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