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小学四年。
この時期に最大の悪夢が私に飛びかかって来たのだった。
プレハブが作られた時期でもあった。
私たちのクラスはそのプレハブにあった。
そこは保健室も家庭課室も付いていた。
そう、このプレハブで最大の悪夢を見せられたのだ。
担任は新人だった。
そのため、副担任もいた。
そう、あれは掃除が原因だった。
私はあの時、「真面目にやれ!!」と言ったんだ。
彼らはこう言った。
「お前、マジうぜぇ」と。
その翌日から違和感を感じた。
みんなの視線が何か違う。
そしてその日に初めてあれを書かれたのだ。
プレハブの壁に。
『未知風死ね』と。(ここはあえてペンネームを使わせてもらう)
その字は自分の筆跡にやたら似ていた。
だが、私はあまり口に出さなかった。
恐怖心というのがあったからだ。
言えば殺されると。
そして次の日と日は流れ、その翌日にもまた書かれた。
その言葉を。
私は消してしまえばいいのでは、と思った。
そう、消しゴムをその壁に擦った時だった。
「何やってんの?」
精神的にいじめてた女子だった。
彼女はその字を見て私にこう言った。
「大丈夫だよ……」と。
いじめてたからいじめられてたのが嬉しいのかと、私はその時思った。
「でも小説とか何かのネタにしたいっていうシナリオを書くならやめなよ」
私はその時、心で叫んだ。
ちげーよ!!と。
そして日が経ったある日、校長と副校長。さらには警察にも部屋にいたところで話された。
「何をして書いたのかな?」とか。
「器物破損だよ」とか。
私は次の言葉で衝撃を受けた。
「だって<いじめられてた子>があなたがやったから書いたって言ったのよ」と水性と思わしき黒いマジックペンででかくあれが書かれてた。
『未知風死ね』と。
私は人を信用する気が消えた。
もう、何でも良くなった。
その日、全速力で逃走した。
学校から最寄りではあるが遠い駅に走った。
無我夢中で。
日がどんどん落ちる。
建物や橋を超える。
クラスメイトにも声をかけられるが気にしなかった。
"人間なんて皆殺してやるよ!!"と思ったが自分の弱さに気が付かされた。
結局、来た道を帰るのである。
人目を避けて走って。
暗い森の中を抜けるように。
坂道を上がったら明るい光が見えた。
教師を連れたパトカーだった。
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