地獄落ちの小学校時代

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五年生になる前に弟が入学することになった。 母親はこう言う。 「あんたのせいでこの子もこの学校に来たじゃないの!!」 私は心の中で思った。 なんだよ、それ……。 担任は変わった。この先生は私を少しでも変えようとしてくれたのだろう。少し前に久しぶりに会ったことがある。転入生も増える。 私はいつも教室の中でビクビクしていた。 そんな時だった。 担任が言う。 「あなたね。演劇部に入ってみない?そんな感じじゃいつまで経っても変わらないわよ?」 私は頷いた。 入る度に練習は苦と感じた。 「もうちょい声出るー?」とか「ほら、頑張れ」とか。 さらにはコーチも来るようになった。その際に担任は私を気遣った。 「この子、声は小さいけど演技には力があるのよ」と。 私はそれを元に演技に力を入れた。 そして発表会は無事終了……のはずだった。いや、何も終わってなかったんだ。 精神的ないじめの後に肉体的いじめが待ってたのだ。 親知らずで担任は治療することになった。 その時の掃除に無理矢理チャンバラさせられた。 痛くても逃げられない。一対二だった。私の方が不利だった。 その翌日は痛みにより担任は欠席。図工で彫刻刀を差し出される。別のクラスメートだ。交わす度に手の甲に血が出る。 「あんたたち、遊んでないの!!」と周りにいた先生は言う。私はその時、手を隠した。 その作品を出した時、その先生はその手のことに気が付いた。そして保健室へ行かされた。だがそのことをクラスに何も言わない。自分でやったのだと思って。 次の翌日からいじめは集団的になった。担任は帰ってきてる。演劇部は中止しつつ開かれるようになったが、痛みが激しく行かれなかった。その集団的いじめはボクシングである。一人対五人の。拒もうと体を逃げようとも逃げられない。声を出そうとも出ない。怖いからだ。 そしてフルボッコ。 六年生になって担任は変わった。 でもそのいじめは続く。 さらには自分を棚に上げボールを当てたりもする。 告白したい相手にわざとふられるように仕向けられる。 あまり好みじゃない女の子を好かせようとするが、この時こそふった。彼女を守ることは今の自分にはさすがに無理だと心の中で思いつつ言った。さらに別れるようにその子に土をかけた。 心の中で"君を思ってのためだ"と思いながら。 その際に父親に怒られた。 どんなに謝ろうとしても声が出ない。
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