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「……すみませんでした」
タクシーに流れるラジオの音楽に耳を傾け、車窓から街のイルミネーションを眺める。
「何がですか?」
クリスマスも過ぎ、後は年越しを迎えるだけの街は賑やか。
どこか浮かれて見える通行人達から、隣に座る飯山さんに視線を移した。
「二次会です。幸先生や熊野先生と飲めることはもうあまりないでしょうし、乾課長もまだ飲み足りないんじゃないかと……」
シートに浅く腰かけ、遠慮がちに俺に話しかける彼女の姿が、街のイルミネーションに淡く染まる。
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