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「気にしないで下さい。二度と会えない訳じゃありませんし」
あぁいう酒の席、苦手なんです。
そう言えば、彼女は気を使ってこの話を続けない。
分かっているからこそ、敢えてその手を使った。
案の定「……そうですか」と言って口を閉ざす。
うるさくない彼女は楽でいい。
「……」
「……」
聴き飽きたウィンターソングが、会話のないタクシーの中を占領する。
年末近くの週末の夜。
車道を走る車の数は多い。
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