第1章

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女の子「どうして、ここがわかったの?」 男の子「見たかったんでしょ?最後に、ここからの景色が……」 女の子「うん」 男の子「ここからの景色、本当に綺麗だよね」 女の子「うん」 男の子「さぁ、その手にある爆弾を僕に貸して」 女の子「でも……」 男の子「君が犠牲になる必要なんか無いさ……」 女の子「だったら、君だって」 男の子「男は好きな子にしなれるより、好きなこのために死ぬほうがかっこいいって思うんだ。バカみたいだろ?」 女の子「バカじゃないよ……優しいんだよ」 男の子「君のほうが優しいいよ。君は誰よりも僕に優しかった」 女の子「……」 男の子「ほら、泣かないで……君の笑顔を見せてよ」 女の子「こんなときに笑えるわけないよ」 男の子「そう?僕は笑えるよ?ほら、ピース」 女の子「バカ……」 男の子は、女の子から爆弾を奪うとその場から思いっきり走った。 女の子は、泣き崩れた。 追いかけることはしなかった。 それは、男の子の思いを裏切る行為だと思ったからだ…… だから、女の子は泣くことしか出来なかった。 その後、その男の子の姿を見たものはいない。 ただ、女の子にはその男の子の笑顔のピースサインのみが焼き付いていた。
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