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「あなたには、かなわないですね」
ハンナは外出の身支度を整えた。苦い思い出の多い騎士団の詰所。日の暮れる前であればハンナの元上司はいるはずだ。根回しなどハンナは今までしたことがなかったが勝手に身体が動いていた。解雇を受けて数年間、魔術学校で副教官の職をただ適当にすごしてきたがたまには生徒のために足を使うことも悪くないと思った。
「正教官試験……受けようか」
かつてのスノーアリアのように第三騎士団から駆け上がろうと闘志を燃やすアリーシャに感化を受けたのか何か自分の中から湧き上がるものを感じながらハンナは教官室を後にした。
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