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「うーん、やっぱり君には向いてないよ」
というわけで、と目の前の藍色のローブの女はペタンと私の掌にスタンプを押した。『適合無し』を表す紫色の光が淡く光り、私の身体の中へと吸い込まれていった。
「どうしてだめなんですか!私、学校の魔術実技ではいつも1番でした!」
「採点基準を言うのは禁じられてるんだ」
女性は目線を下に向けるとペラリと紙をめくった。
「お疲れさまでした」
その最終通告に私は下唇を噛む。口の中に広がる血の味。
…最悪だ…この世の終わりだ…
これで、全部門の入隊試験は全滅。
夢の魔術騎士への道はたった今絶たれた。
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