1章 ツンデレ

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「由衣、もう、多分10分くらい抱きついたままだよ」 すると、由衣が返してきた。 「お願いもうちょっとだけ、抱きつかせて」 由衣がそんなことを言ったら、私は我慢できなくなってしまう。このままじゃ私の理性が持たない。背中に胸が当たっているのをずっと感じるし、さらに由衣の吐息も感じる。ずっと、自分の頬あたりに当たっている。本当に私だめになっちゃう。由衣にキス、キス、キス、、、したい。そう思った時、ちょうど由衣は私に抱きつくのをやめた。すると我に返ったらしく、おどおどしていた。 「はわ、わ、、、わ、私、何を、、、」 「由衣、私に抱きついていたよ」 「ご、ご、ごめんなさい、きょ、きょうのことは、忘れて、お願い」 「それは、無理かなー由衣が、抱きついてきたことなんて忘れられないよー」 「じゃ、じゃあ何したら忘れてくれる?」 そして、それを聞いて少し考えた。だけど、それを遮るように反射的に言葉を発した。 「じゃあ、由衣、私にキスして」 そしたら、由衣は今までに見たことないほど、顔が紅潮して、もはや湯気が出てくるのではないというぐらいだった。そんな顔になりながらも答えた。 「いいよ、萌ちゃんがそれで忘れてくれるなら」 それを言ったと同時に私の唇に由衣が唇を近ずけてきて、キスをした。春とは、違って一瞬だったけど、それでも長く感じた。ずっとキスがしたかった、幼馴染とキスができたのだから。 「これで忘れてくれるよね?萌ちゃん」 そして、少し意地悪を言ってみた。 「由衣ちゃんは、一方的に私に10分以上も抱きついてきたんだよ、短すぎだよ」 「じゃ、じゃあ、5分するから忘れてね」 そう言って、由衣が私にキスをしてきた。本気で言ったつもりはなかったのだけど。それにしても、今日の由衣は、いつもと違って積極的だった。いつもは、恥ずかしがり屋なのに。そのギャップもあったせいで、キスがとても嬉しかった。 するといきなり、由衣が口をパクパクさしてきた。初めてだった。春とのキスでもしたことのないことだったので今までにない感じだった。くちゅ、くちゅ、のような音がして、さらに由衣は、声を出していた。可愛い。もっと、由衣、声出していいよ。そうしていた時、私の後ろの草むらがガサガサと音がして、誰かがきた。
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