1章 ツンデレ

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「あっ、由衣ちゃん、萌ちゃんもう終わりだよ?それより、なんで由衣ちゃんの上に萌ちゃんが倒れているの?」 私はなんとか間一髪で倒れて、唇は、とかれた状態で少し顔をずらして、由衣の上に乗っていたのだ。 「しんどくて、寝てたの」 これは、流石に見苦しいと思ったけど、その人はボケーっとしている人だったので、そうなの、みたいな感じで何も追求してこなかった。助かったーと思った。何と言っても、女の子同士がキスをしてるんだから。そして、私は由衣の上から立ち上がる前に由衣に言った。 「由衣、今日のことは、忘れるね」 約束は果たせてないけど、そう言った。 「萌ちゃん、約束まだ、果たせてないよ、だから、私忘れられないよ」 「じゃあ、キスしてほしいってこと?」 「萌ちゃんがしたいって言うのなら、、、」 私、忘れるって言ったんだけどなーと思いながら、由衣が私にキスを求めていることに驚いた。だけど、とても嬉しかった。この時だけでなくて、これからキスができるということを。 「うん、キスしたいよ、またね」 そう私が言うと、もじもじしながら、う、うんと言ってきた。 「萌ちゃん、この関係は、2人だけの秘密にしようね」 「うん」 とっさにそう答えてしまって、春のことを思い出した。確か春ともこんな約束を。まあ、だけど、どっちかを切るなんて私にできなかった。春も由衣も欲しいもん。そして、教室に戻った。そして、私たち2人とも、今日の昼のことがなかったように授業を受けて、話もした。由衣は、少し引きずってみたいだけど。そんな由衣もとても可愛かった。授業が終わって私たちは、部活に行くことになった。由衣も同じである。 「萌ちゃん、部活早く行こっ!」 「うん、今行くー」 もちろん手をつないで行った。だけど、いつもと違うてのつなぎ方で。手の指をそれぞれの指を重ねるつなぎ方で。そして、少し恥ずかしそうにいつものトーンで 「萌ちゃん、今度い、いつ、“キス”する?」 と聞いてきた。 「由衣が私が欲しい時ならいつでも」 「うん、分かった萌ちゃん大好き!」 少し顔を赤らめながら満面の笑みでそう答えてきた。
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