第二章

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ルーラ湖に着く 少し離れたところに魔力を感じた 気配を隠し、そこへ向かう ……やはりいた。 白い獣とローブの男が。魔物はキマイラ……か? 脚から黒い血を吹き出している魔物。 ガアアァアアッ ローブの男に向かおうとしたキマイラだが、白い獣が魔物の足元を凍りつかせる あの白い獣も調べてみたが分からなかった。 フェンリルと似ているが尾は一つと記されているのだ。 ギィイッ 口から炎を吐くキマイラ ローブの男が動く。軽く躱し接近していた。 《蒼炎裂破槍》 そして、そのままキマイラの胴体を貫く。 ギィアアアアッ (蒼い炎…あれは?魔武器の能力だろうか) 刺した場所から蒼い炎が燃え上がる。 彼は槍を引き抜き、距離をとっていた。 白い獣が追い討ちをかけるように氷の槍をキマイラに放つ。 グ…アアアア…… 反撃と言わんばかりに尾のヘビから毒針のようなものを連射する魔物。 結構なダメージを与えているようだが、まだキマイラ倒れない。 (倒せないことはないと思うけど、どうなるか…) 白い獣が注意を引き付けているようだった。 その間にローブの男は右手を前に出す 「燃え上がれ猛き焔 蒼き炎となりて 燦然たる輝きを放ち 我が敵を燃き尽くせ」 聞いたことのない詠唱に耳を傾けた。 彼の右手に大きな蒼い炎の塊が造られていく 《クリムゾンフレア》 あれは……蒼い炎の塊……? 魔武器の能力ではなかったのか… 稀少属性か。あれは自分で作った魔法なのだろう。 ゴオオオオオッ 音を立てキマイラに もの凄い速さでぶつかる。 氷で動けない魔物はそのまま全てを呑み込まれた 蒼い炎が消えると、そこにはもう何も残っていない。 これは、最上級魔法レベル… いや…神級かもしれないな。 考えていると声が飛んできた。 「覗き見なんて趣味が悪いな 」 やはり気付かれていたかと苦笑いを浮かべ、大人しく出ていく。 ザッ 「それはすみませんでした」 一応 謝罪を口にした。 「どうせ戦い方を見て、捜し出す根端なのだろ? こちらの目的がバレていたようだ。 まあ、バレていようとなかろうと関係ないのだが… 「貴方は何者ですか?」 答えはしないと分かってはいても、前回と同じことを問うのだった。
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