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隣に、可愛らしい雪だるまがちょこんと佇んでいる。手のひらの大きさで、足で踏んでしまいそうな小さな雪だるま。
A「約束、したのにな」
ふっと呟く独り言は、白い霧と共に夜景の中に消えていった。腕の中に息を潜めるピンクの包みまでため息をはくよう。雪に埋もれる階段に腰掛ける私はさぞかし可笑しい人に見えるんだろう。
時を重ねていると、つい小包に一滴水が落ちる。それをきっかけにボロボロと溢れる。水をすくうものも遮るものもない。嗚咽が一人だけの公園にこだまする。誰もいないと信じきっていた。
B『僕を呼んだかい?こんこん』
だからだろうか。背後からにょっと伸びた手を信じられなくて。もう一度空を仰ぎみようとしたら、そこには見慣れた大好きな笑顔と狐がいた。私も彼と同じように狐を呼び出し、小包を彼に差し出す。
彼が不思議そうな顔をして小包を開くと、私に向けてそっとはにかんだ。
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