始まりは終わり、終わりが始まり

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階段を登りきると勇者と魔王は予想外の事態に遭遇した。 「お父さん!?」 勇者が倒した骸に叫ぶ魔王。 その件について勇者は問いただしたいところだったが、今はそれどころではない。 部屋の至るところから火の手が上がっており、熱が襲いかかってきていた。 「あいつら、火までつけるかね!?」 かつての仲間のせいと決めつけ憤慨する勇者。 城にいた魔物は全て皆殺しにしてきたのだから他にする奴はいない。 よってそれしか考え付かなかった。 火の手はだいぶ強いのだろう。すぐに魔王は弱り、勇者も肌が焼かれるのを感じていた。 「このままはまずいね」 勇者はすぐさま、まだ無事なカーテンを剥ぎ取り、魔王を包んだ。 これで多少、直接的な熱は遮断できるはずだ。 「ま、待ってほしい。あれを!」 「は?」 骸から浮かび上がってきた八方形の結晶体。 先程まではなかったはずだ。 「なんだかわからないが・・・!」 勇者は結晶体を掴み、魔王に渡すと、急ぎ脱出へとうつった。 そして冒頭のシーンへと移る。 「で、それはなんだい?それ」 先程は急いでいて聞きそびれていたが、どうにも結晶体が気になった。 「・・・」 が、魔王は唖然としながら炎上している魔王城に釘付きなっており、答えなかった。
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