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『では当初より予定していた地点へのジャンプを行います。魔王様よりご子息様への最初の拠点として思案されておりました地底湖へと向かいます。尚、出口はありません♪』
「はぁ!?」
「冗談じゃないぞ!?」
思わず立ち上がり声を張り上げるアキラと魔王
そんなところに放り出されるなんてとんでもない。
『拒否権はありません!』
そう聞こえた瞬間、視界が変わった。
焚き火の強い灯りは消え、淡い光が現れた。
周囲は壁、目の前には巨大な湖があった。
至るところに生えている苔が発する光により視界は確保できた。
「ちていこだー」
「って本当に出口無いし!」
『ああん』
魔王は棒読み、アキラは手の中のコアを地面へと叩き付けた。
その際の音と声に反応してか、湖が揺れた。
湖から這い出してくる液体。
ゼリー状の身体を持ち半透明なその奥に丸い物が見えた。
スライムである。
「わー、スライムだー」
「雑魚じゃん。・・・ん?」
スライムの出現は収まる様子はなかった。
十匹、二十匹とどんどん増えていく。
「いや多いよ!?」
アキラ、思わず突っ込んだ。
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