998人が本棚に入れています
本棚に追加
『安心してください。彼等に敵対の意思はございません。』
コアの言う通り、現れたスライムたちはアキラ達を確認すると大半は湖へと戻り攻撃を仕掛けては来なかった。
残りも近くの苔を体内に取り込むだけだった。
「いや無関心になるのもどうなの!?魔王と勇者が来たんだよ!」
「それよりも出口のほうを考えるべきと我は思うのだが」
魔王に言われ、より絶望的な現状を再度認識したアキラ
地下なのは間違いはないが、深さはわからない。
適当に掘り進んだら水源に当たり、この場が水に満たされ溺死、なんてなるのは勘弁である。
そもそも素手で掘るのも嫌だ。
「魔王は何か案ないの?」
「うーむ。ストーンスライムが居ればなんとかなるのだが」
「なにそれ?」
魔王曰く、ストーンスライムとは本来液体状の身体を持つスライムが石を補食し、硬い岩石の身体を持つスライムのこととのこと。
それがいれば穴掘りも自在になり、さらに元々スライムは水場を察知するのでより安全に地上への出口を作ってくれるらしい。
「だがいくらスライムが雑食とはいっても食べ物ですらない石を食うなどゲテモノ食いもいいとこだ。勇者たるアキラが知らなくても無理はないほどに希少なの「要はスライムに石を食わせばいいんだろ」え?」
説明を受けていたアキラは笑顔で近くのスライムと拳大の石を掴んだ。
その様子に魔王は嫌な予感を感じていた。
最初のコメントを投稿しよう!