998人が本棚に入れています
本棚に追加
「なにをする気だ。おいまさか!」
魔王が問いかけた瞬間だった。
アキラは石をスライムに叩きつけるが如く押し込んだ。
「ピュァァァァアアアア!?」
全身を激しく動かし、悲鳴をあげるスライム。
「どーした!僕の石が食えないっての!?」
「いやだから本来食わないぞ!?鬼か!」
しばらくして気絶したのか、石を体内に入れたままぐったりしたスライムが地面に放置されていた。
身体が薄汚れたように茶色になっている。
『進化始まりましたね。あと先程の拷問により他のスライムが勇者の傘下に加わりました。』
「え?」
言われて湖のほうを見るとスライムたちが身体を地面に擦り付けていた。
土下座しているように見えなくもない。
『スライム、アクアスライム、そして先程から進化しつつあるストーンスライムが今の傘下です。指示を出せば従いますよ。』
「そう、ならスライム達、地上への道を作ってくれ。」
「「ぴー!」」
スライム達は一斉に鳴くと、あちらこちらと飛び跳ね始めていた。
「・・・僕らは少し寝るか。そう言えば夜だったし」
「地面でか。仕方ないか」
魔王はため息をつきながら寝転がり、身体を丸めて瞳を閉じた。
対してアキラは壁に背を預け、座った状態で睡眠の体勢を取る。
そしてこれならのことを考えながら睡眠についた。
最初のコメントを投稿しよう!