始まりは終わり、終わりが始まり

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仲間たちに見守られる中、勇者と魔王の一騎討ちが終わろうとしていた。 勇者は白銀の鎧を纏い、己の三倍近い身長を持ち、六対の黒い翼を持つ魔王と対峙していた。 自らの体から電撃の余波を放ちながら、聖剣エクスカリバーを魔王の心臓に突き立てる。 魔王は音もなく崩れていく。 勇者は飛び退き、膝を突くと強敵を倒したことに安堵の表情を浮かべ、離れていた仲間も駆け寄ってきた。 「やったの?」 「私たちの戦いも、遂に終わりを迎えるのですね。」 魔法使いと僧侶は嬉しそうに笑っていた。 勇者も笑い返す その時、白銀の鎧は光の玉となり消え、光の玉は未だ魔王の心臓に突きささっているエクスカリバーに吸い込まれていき、勇者は布の服姿へと戻る。 「いいや、まだ残党が残っているんだ。僕たちの戦いはこれからだ!」 勇者はそう返しながら仲間たちに背を向け、エクスカリバーを抜くために魔王へ向かっていた。 いや、向かおうとしていた。 「いいやお前の戦いはこれで終わりだよ」 胸の中心から剣が突き出てくると同時に仲間の戦士の声が聞こえた。
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