第3話 希望をもたない

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私が年上のムツオと恋愛をはじめたころ。仕事ばかりの毎日だった。 仕事ばかりになったにも理由があってそのころ私は高校時代の同級生とのやや長めの春が終わったところだった。長年連れ添った夫婦のような状態で安心しきっていたらなんと浮気をされた。 高校時代の同級生とはいえ近所に住んでて小さいころから一緒に遊んでいたし。いわゆる幼馴染ってやつで。私の親とも顔見知りだし。もうこのまま結婚するんだなーって勝手に思ってた。 その失恋を期に私は一人暮らしをはじめた。会社にはぎりぎり実家から通えてたんだけど。あまりにも同級生だった彼とは思い出がありすぎて耐えられなかったから。 私はくやしまぎれに恋愛に刺激をもとめた。自分が思う刺激的な相手とつきあったものの「好きな人ができた」とまったく同じセリフを聞かされた。追い打ちをかけるように、その彼女と結婚したらしいと風の噂が届いた。 またまた。ムカついたし、がっかりしたし、ショックだった。 結婚ってなんだ! 私じゃダメだったのか? 今さらその答えを聞けないし。なんだったわけ? 正解が見つからないまま「だったら仕事に生きよう」と私なりの答えを出した。 私の恋人は仕事です。仕事は裏切らないし。働いて稼いでお金持ちになって。あ、でも給料は変わらんのか? とにかくいい仕事しよー! ちょうど恋の痛手を引きずりながらキャリアウーマンの道を進んでいたところだった。
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