第15話 心が平衡を取り戻す

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私たちは話しながら和食のおいしいカフェに到着した。ひと時の混雑はひいたらしく、まばらに空いた客席の中で窓際のテーブル席に着いた。 やっぱりから揚げ定食よ。 けい子は魚定食。 けい子も浮気されたことってあったんだ。 あったわよ~。泣いて別れるって騒いで一回別れたのよ。 だけど、なんか同じ大学時代の仲間との飲み会かなんかでばったり再会しちゃって。 ほんとはそこでも彼の文句をみんなに聞いてもらおうと思ってたんだけど。 ごめんやり直そうって彼がみんなの前で必死に頭を下げるもんだから、許してやれよってみんなもすっかり彼の味方についちゃって。 なんだか文句も言えずに、じゃあしょうがないっかって許しちゃったのよね~。 そっからずるずるここまで来てるわ~。 だから半年だけ別れてたことがあるのよ。 その話を聞いて、ふと。ずっと前に別れてしまった私の最初の恋人『光一』のことを思い出した。高校の同級生でお互いに言いたいことをずけずけと言える一緒にいて楽なやつ。お互いの家族のことも知っていて家に迎えにきてくれるときは玄関で見送る私の母親に「今日はスズ借りますね~」なんて言ってた。10年もつきあって、一緒にいるのがあたり前になって。正直彼とはこのまま結婚するのかな~って、思ったこともあったんだ。 「鈴花、光一とは連絡とってるの?」
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