第16話 醒める

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5年っていうロングスパンの付き合いのわりにあんまりにもあっけない。 いつもどこかで終わりを意識していたってのもあるし。 自分が傷つかないように深入りしないできたってのもある。 「あんた。しょうもない恋愛よそれ~」って編集長の声が聞こえてきそうだ。 なんか情けなくなってきた。 はぁ~。 「ため息つくと1年歳取るよ!」 またまたゆい子から釘を刺された。 もう今日だけで3年は歳を取ってしまった。 30代の3年は10代の10年分に匹敵するくらい大事だってのに! 「でもほら。年下って切り札があったじゃん!」 そうです。 嘆いている暇はありません。 次。 次いきましょう! 今日は蓮とご飯の約束があります。 携帯にはちゃんと蓮からのリマインドメールが入っている。 『今日は鈴花さんのおススメのところに連れてって』 はい。今回は私がお店をセレクトするのね。 そっかそっか。わかりました。 そういえばデートの時は、いつも相手にまかせっきりで あんまりご飯の場所って選んだことなかったな~。 どうしようか。 どこがいいんだろうか。 場所は、渋谷?  3店ほどセレクトして蓮に送った。 ☆ 結論から言うとこの日、蓮はこなかった。
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