第2話 年上女と年下男

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日を改めて歳下男子と飲みにいった。 歳上のムツオと食事に行く時と違って気張らない安いお店。 不思議とそれが心地よかった。 歳を聞くのがこわかったんだけどこうして向かい合ってみるとやっぱり若い。22歳。大学卒業間近で就職先を探し中。 「お姉さんいくつ?」 げ。きた。直球の質問。 35歳。 「そうなんだ。じゃあ13歳上だね」 そっか。この男子13歳下なんだ。 こんなに歳の離れた男性と二人でご飯を食べるなんて、はじめてだ。変な感じ。 歳上といると自分が年下扱いでそれがゆえの青さを可愛がられる立場だったけど。今度は立場が逆転。自分がお姉さんぶらないといけないのかな。なんか逆に背伸びしちゃうかも。 「名前は蓮(はす)って書いて、レン」 「私は鈴花。スズでも鈴花でも好きによんで。よろしくね」 私たちはそろってレモンサワーで乾杯した。 あんたお姉さん力0点ね。 って編集長によく言われていたもんだから。いささか緊張。なめられたくないし。 そう言いつつもこの年下君は飲み物を補充してくれたり食事をわけてくれたり、食事中もかなり気が利く。なんていうかこまめに面倒を見られている感じが意外と頼れるというか。 大人の余裕こそないものの丁寧できさくな会話にまた居心地のよさを感じた。 「お姉さん結婚のアンケートとってたけど。結婚に興味なさそうなんだもん」 そんな風に見えたんだ。結婚に興味がないっていうか希望を持ってないっていうか。結婚できないって思ってるのかもね。 「僕はまだまだ結婚なんて考えられないけど。結婚するならお姉さんみたいな人がいいなぁ」 何を根拠にそんなこと言ってるわけ? 「あ、顔が赤いよ」 と、最後は完全に蓮のペース。 からかわれながらもまんざらではない気分でお互いほろ酔いになってお別れした。
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