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「何か男の子と上手く話せないのだよ。全然、男と話しているじゃん!」
本当はただ、母親のカナコを喜ばすためだけに自分と会っていたのではないか。
本心は楽しそうに話していた彼にあるのではないか。
次の授業もその次の授業も、その事を考えないようにするのが必死だった。
「東大クラスの生徒が中堅私大でアップアップのオレを好きになるわけ無いよな……」
急にケイトは失望感に襲われた。
午後の講義を悶々としながら受けた。
母親思いのサラは、あのデートも言われて渋々だったんだろう。
それがケイトの結論だった。
午後三時すぎ、ケイトはまだ空の高い街へ肩をすぼめて紛れて行った。
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