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「デート、楽しかった?」
「映画、良かったよ。イケメンの俳優が三枚目でさ……」
久しぶりに店に出た。
夏期講習に追われていたケイトは、懐かしさすら感じていた。
「今度、観ようかな?」
「絶対にオススメだよ!」
「カレシに聞いてみよかな?」
「カレシ? 嗚呼、居たんだね……」
ケイトはサラに感じていた不安な気持ちをユカリに相談したいと思っていた。
でもカレシと言われて、ユカリに気安く話せない気がした。
「オレ、品出ししてくるよ!」
「私も仕事あったんだ!」
その場を立ち去ったケイトは、あえて振り返らなかった。
ユカリは立ち去るケイトを見送りつつも、ウソを付いた自分が嫌になった。
互いに不器用で、気持ちを打ち明けられなかった。
だから休憩もあえて時間をずらした。
早番だったユカリが店を後にした。
閉店まで勤務のケイトは、カナコたちと一緒に八時まで働いた。
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