帰るべき場所

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「今日は三倍ディだから忙しくなりそうね」 着替えを済ませたカナコが腰掛けているユカリの側に歩いて来た。 「そうですね。だから駐車場も混んでいたんですね」 ユカリは気分を切り替えて、明るく微笑んだ。 「ウチの娘、胸が小さいんだよね」 「そうなんですか?」 「私に似なかったのよ。頭は似なくて良かったんだけどね」 なんと答えて良いのか分からずに、ユカリは黙っていた。 「ブラにパットを二枚も入れているのよ」 カナコが話した。 「大きいと悩んで、小さいとまた悩む。難しいですね」 「ユカリちゃんも悩んでた?」 「今も悩んでます。この頃、ブラがキツくなってきて……。もう大きくならなくても良いんだけど」 するとカナコが声のトーンを落した。 「彼に挟んでってお願いされない?」 「え?」 「胸で……。ゴメンナサイ。忘れて!」 ユカリが戸惑ったので、カナコは知らないのだと思ったらしい。 そそくさとカナコは用意をして、「先に行くね!」と部屋を出て行った。
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