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「どうかな……?」
正直不安しかない。
そんな不安を揺さぶる一言。
「ん~、焦がしたわね」
やっぱりバレた!
「ごめん!スマホでレシピ見ながら作ってたら、うっかり……」
本宮君に作った初めての料理なのに……。
少しだけへこむ私に、本宮君は言った。
「別に。作ってる時の匂いで焦がしてるの分かってたから、気にしないわ」
二口目のカレーが、彼の口に運ばれる。
そして。
「誰かと食べると、ご飯は美味しいからね」
「……っ」
向かい側に座る本宮君は、微笑んだ。
「……うん、そうだね」
彼に微笑み返すと、私もカレーを口に運ぶ。
胸のあたりが、ほんのりと温かいのは。
きっとスパイスのせいだけじゃないのだろう。
fin.
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