プロローグ

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でも今では胸はないし…今子供という事もあるけど…たとえ年齢を重ねても膨らむことはないんだろう。それは小さいながらも存在感のある股間のモノが証明している。 「男…か…」 この世で初めてを奪われたとき、つくづく腐女子でよかったと思った。「お、男どうし…ハァハァ…」と雑念がかなり多く混じって現実逃避出来たおかけで、心を殺されることが無かったのだ。身体はかなり痛かったけども。 前世で純潔を守った女としてはどうなのか?とも思うが、持ち前のポジティブシンキングで今までを生きている。 「さて…と」 完全にきれいになったわけではないけれど、水で洗い流せて一応さっぱりした。その後でもう一度部屋に戻って中の惨状を確認する。 「ひでぇ…」 充満する独特の臭い、一部カピカピになっているベチャベチャでグチャグチャのシーツ、点々と飛び散る白い液体。それを片付けるのも自分の仕事。毎日繰り返す愚痴をこぼし、唯一支給されている服を身にまとう。 手術の時に着るような簡単な布だ。そして下着はない。 つけない時間の方が長いし、つけてても客によって千切られたりするため、早々に結果必要ないと判断されたためだ。最初はスースーして落ち着かなかったが、今ではもう何も感じない。 とりあえず掃除と意識を切り替え窓を全開にすると、洗濯のために汚れた布を引っぺがした。
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