第一章 関わりたくない

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間に合っても汗だくで息を切らせた状態で電車に乗るのは恥ずかしいというどうでもいい羞恥心が全力疾走を妨げる。 迷惑なのはわかっているがなるべく雪のない車道を選んで進んでいく。 「あ~ギリ、かな」 人間の感覚は結構曖昧だ。 五分くらい短縮したと思いきや、その実、二分ぐらいなんていうのはよくある。 電車が少し遅れていてくれればという淡い期待を持ちながら、卓は足早に駆ける。 バチィ そんな時、卓の前方で奇妙な音がした。
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