第1章

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少し混乱したがすぐに落ち着いた。 これは僕が願ったこと。 これでお母さんが苦労しないで済む。 「は、ははっ。やったね。」 何故かとても心が晴れている。 学校に通う必要もなくなった。 家に帰ることも。 すると色々頭に浮かんできた。 今の僕は誰にも見えない。 透明人間だ。 街中で遊び回ろう! それから学校を飛び出し街へと向かった。 まず初めに行ったのは映画館。 チケットを購入せずに入ることが出来た。 「やった、見放題じゃないか。」 適当な空いていた席に座り、今子供達に人気のアニメ映画を楽しんだ。 次に玩具売り場へ向かった。 欲しいゲームがある。 お金が無くて今まで手にする事が出来なかったのだが・・・。 恐る恐るゲームを手にして服の中へ入れてみる。 するとそのゲームまで透明になって見えなくなった。 やった! 僕は凄くドキドキしていた。 ゲームが手に入る興奮と少し悪いことをしているというスリルでだ。 ゲームを服に入れたまま外に出ると店内にブザーが鳴り響いた。 店員が外に様子を見に来た。 僕は慌てて走り出した。 しかしすぐに足を止める。 今僕は透明で見えないんだ。 店員が目の前に来たがやはり気づくことはなく店の中へ戻る。
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