第1章

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「お母さん、お母さん!マコトだよ!」 2人の顔は涙でぐしゃぐしゃになっている。 「ごめんなさい、マコト・・・。」 「僕のこと見えるの?」 「当たり前じゃない!もう絶対に見失わないわ。」 透明になってどんなに遊んでも満たされなかった僕の心はようやく満たされた。 それから何事も無かったように学校に自分の居場所が戻っていた。 家に戻れば相変わらずお母さんはいない事が多かったが、土日は極力遊んでくれるようになった。 あとで気づいたことだ。 毎日おざなりにしていた置き手紙。 素っ気ない一言だけが書かれていると思い込んでた。 でも違った。 裏を見ると毎回違う手書きのイラストとメッセージが書いてあった。 その多くに見えたのが謝罪の言葉。 大切に思われていない、そう思っていたのはただの僕の勘違い。 そして必ず最後にはこう書かれていた。 『愛する息子、マコトへ。』 ~fin.
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