透明人間と言う認識

2/2
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/2ページ
一般的に透明人間と言うと、どのような人間を連想するだろうか?。 衣服を脱いで全裸になると視認出来なくなるのが、一般的に透明人間と認識されている存在なのだと思う。 私はお風呂上がりに鏡台の前で身嗜みを整えている女性と一緒に、鏡台の鏡に写っている私の姿を見ながら、私は一般的な透明人間とは別物だと改めて認識していた。 『やっぱり冬場のお風呂はホッとするわね♪』。 私と一緒に鏡台の鏡に写っている女性は、私の事を一切知らない女性だが。私はこの女性と同じ家で同居している。 『さて、今日も寂しく独り寝をするかな』。 鏡台の前の女性は、就寝前の肌の手入れを済ませると、部屋の加湿器が動いているのを確認してからベッドに入ったので、私も一緒にベッドに入り女性の隣で横になった。 『お休みなさい』。 女性は天井に向かい独り言を言ってから瞼を閉じた。 ………。 私は女性が安らかな寝息をたて始めたのを確認してから。女性に対して。 『貴女は独りではありませんよ、貴女は私の事を認識出来ませんけれど、私はいつまでも貴女と一緒に居てあげますからね』。 私は女性に向かい微笑んでから、瞼を閉じて眠りに落ちた。
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!