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そのぼくは完全な楽しみのためにいったん少女から両手を放すと、次にはぐっと力を込め、少女の首を絞め上げる。ほどなく少女の華奢な頚骨が折れる独特の感覚が脳まで届く。雀を握り潰したような、ポキッではなく、グシャでもなく、上手く言葉にいい表せない色の乱れ飛ぶ濡れた木綿の布地を握り締めたときのような、あるいは骨のない中途半端に萎えた見知らぬ男のシンボルを嬉々として握り潰し、破裂させ、飛沫がぐるりに飛び散るときのような……。
二度目の覚醒が訪れ、今度は若い女の服を引きちぎり、両手は胸を鷲掴みにしている。
さらに数回の目覚めが訪れ、肉の感覚が濃厚になり、あまつさえ匂いまでが伴われ……。
そして――
ベッドで目覚めるぼくの顔を真上から見つめているのは、ぼくのまったく知らない若い女。けれどもぼくはその女が夢の少女の正しいイレモノに違いないと直感する。
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