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検査が始まってから約2時間が経過した。
「あの…」
一人の看護婦さんが静かに問い掛けてきた。
仁「はい」
「憂さんの…」
仁「憂は!?」
待合室の椅子から立ち上がり看護婦さんの前に立って聞いた。
「先生があなたに話したいことがあるそうよ?あそこの部屋にいるから行って話を聞いて下さい。」
仁「はい…」
そう言い残して看護婦さんは歩いて行った。
看護婦さんが言っていた部屋の戸をノックした。
コンコン…
先生「どうぞ」
ガチャ
仁「失礼します」
先生「たった今、全ての検査が終わりました」
仁「憂は?」
先生「病室で眠っていますよ」
仁「よかった…」
先生「私の話、聞いてくれますか?」
先生の顔はどこか悲しげで、目は真剣で…
今…先生が俺に言いたいことはもうわかってる。聞きたくないけど、聞かなきゃいけないこと…
仁「聞かせて下さい。教えて下さい…憂のことを…お願いします…」
先生「憂さんは…
助かりません」
仁「…?」
今なんて…?
助からない…?
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