―君の笑顔―

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『着信:杏』 ピッ 仁「もしもし?」 杏「仁!?」 杏の声はいつもと違っていた。 仁「どうした?」 杏「憂は?憂、仁の家にいる?」 仁「え?」 杏に言われて気付いた。昨日俺の隣で寝ていたはずの憂がいなかった。部屋の中は静まり返っていて誰もいない様子。 仁「憂いねぇ」 杏「さっき、憂の仕事場の人から連絡あって憂知らないか?って聞かれたの!憂に電話しても繋がらないし…どうしよ…」 仁「お前今どこ?」 杏「会社だよ」 仁「お前はそこにいて…俺、憂を探しに行く」 杏「探すって?どこにいるかわからないのに?」 仁「また連絡する」 俺は今、焦りと不安に包まれていた。あいつが黙っていなくなるはずない…憂はそんな奴じゃねぇよ ジーパンのポケットに携帯と財布を入れて、玄関に向かった。 仁「………くそッ」 ドアを開けようとしたその時だった… ガチャガチャ 「あ、仁。」 何事もなかったかのように買い物袋を両手に抱えて笑って俺の名前を言う憂がいた。 仁「お前…」 憂「どうしたの?」 仁「お前携帯は?」 憂「あ~ごめん!電池切れてたッ」
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