*** プロローグ ***

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― アメリカ某所 /AM2:00 ― プルルルル・・・ 「・・・アロー・・って、摩里?」 摩里からの電話は何年ぶりだろう、と寝惚けた 頭で考えている耳元に、 『お兄ちゃんっ!レブンを探してっ! いなくなっちゃったのっ!どうしよう?!』 耳にあてたスマホを落としそうになるほどの 大音量が耳に飛び込んできた。 受信機にも反応していないって、佐伯さんが・・・と 続く言葉に文字通りベッドから跳び起きた。 「摩里、落ち着いて。いつから居なくなった?」 庭の剪定をしていた業者が、ものすごい スピードで走り抜ける猫を見たという情報を 最後にレブンの行方がわからなくなったようだ。 警察と保健所に迷い猫の届けをすぐ出すように 摩里に伝え、一旦 話しを終えた。 跳び起きた状態のまま、スマホを片手に 状況整理をしてみる。 「すでに5㎞以上、離れたということか?」 剪定業者が見かけた時間は、午後11時頃。 受信反応が無くなったのは、その15分後。 迷子防止発信波の受信可能範囲は自宅から周囲 5㎞設定だ。
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