透ける心に俺は戸惑う!?

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――中庭―― 小さい中庭にベンチが置いてある。 あまり人も来ない為、何かを話すときは丁度いい。 「……コーヒー飲めるか?」 自販機で買ってきたコーヒーを真島に渡す。 何か洒落た飲み物の方がいいのかとも思ったが結局思いつかなかった。 「うん。 ありがとう」 『おごってもらうなんて悪いわ』 嬉しそうに真島はコーヒーを受け取る。 か、可愛いじゃないか。 「「あの!!」」 暫しの沈黙の後、俺と真島が同時に声を発する。 「あ、わりぃ」 かぶってしまった事を俺は詫びた。 「先にどうぞ……」 『凄いタイミング……』 気を使ってくれる真島。 「真島、俺を探してただろう?」 真島の気遣いに甘え俺は単刀直入に尋ねた。 「よくわかったね」 『心が通じた? まさか……ね』 真島は薄々気づいてるのか。 俺が心を読めるようになったことが……。 「まぁ……な」 思わず俺はポリポリと頬をかいた。 「それで声かけてくれたんだ」 『見ててくれたんだ。 嬉しい』 真島はコーヒーを握ったまま顔を赤らめた。 「あ、ああ」 俺如きに見られてて嬉しいとは……。 どう反応していいのやら。 「ありがとう」 『こういうとこ素敵よね』 えと……。 真島さん、さっきから俺を褒めすぎですよ?
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