透ける心に俺は戸惑う!?

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「で、さっき言いかけたのは?」 咄嗟に俺は話を変える。 「何処もいたくない?」 『ずっと気になってたのよね』 心配そうに真島は俺を見ている。 「え?」 痛いって何の話だ? 心は痛いんですけどねー。 「昨日の」 『たんこぶ出来てたけど……』 俺の頭をマジマジと見る真島。 「ん。 何ともない」 そう言えば俺昨日倒れてたんだ。 色んな事ありすぎてすっかり忘れてたよ。 たんこぶも気にしてなかったぜ。 「そっか。 よかった」 『元気で何よりだわ』 真島は満面の笑みを浮かべる。 しかし、思ってる事と言ってる事が殆ど一緒な奴も珍しいな。 それだけ真島は素直って事か。 直なだけに……? 「どうして俺なんか助けたんだ?」 俺はみんなから畏怖されてる(一部を除いて)。 そんな俺を助けようと思った真島が凄いと思う。 「あの状態だったら助けるわよ」 『見捨てるなんてできないよ……』 悲しそうな表情で真島は言う。 「そっか」 根から優しい子なんだな。 きっと真島は人を安易に差別したり見下したりしないんだろうな。 「あたし、山城君の事怖いって思ってないよ」 『山城君は優しいもん』 そう言って真島は頬を赤くした。
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