透ける心に俺は戸惑う!?

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「珍しいヤツ」 優しい……か。 俺には縁のない言葉だと思っていた。 まぁ、言われて嫌な気持ちはしないな。 「みんながおかしいのよ。 勝手に山城君が怖いなんて言うんだもの」 『先入観で物を言いすぎなのよ』 ムッとした表情で真島は言う。 俺の事なのにここまで言ってくれるとは……。 「まぁ、俺は問題児だからな」 問題児。 先生達は俺に当たらず触らず、親も多少は怒りはするけどあんまり俺に干渉しない。 野放しにされてる状態だ。 「正当防衛でしょ?」 『あたし知ってるんだから』 真島は俺をしっかり見ている。 「何でわかる?」 何を知っているんだ? 「わかるよ。 山城君は優しい人だもの。 闇雲に暴力は降らないもん」 『間違いないよ』 真島は俺から目をそらさない。 「確信持てるんだ?」 真島の確信は何処から来ているのか不思議だ。 「……中学生の頃、助けてもらった事あるから」 『きっと覚えてないんだろうな』 思い出しながら真島は言う。 「そんなことあったか?」 俺が真島を助けた? 中学は違ったし、面識もなかったのに?
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